【ネタバレ注意】パラサイト 半地下の家族 格差社会の闇や、半地下の臭いとは?豪邸の秘密…。「計画」という言葉に含まれた人間の悲しい性。【衝撃作】

レビュー

こんにちは。木森なな(@kimorinana)です。

アカデミー賞で作品賞など4部門を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』

さまざまな人におすすめされまくって、ようやく映画館で観てきました。

いやあ、衝撃です。

韓国映画は観たことがなかったのですが、シナリオの巧さや構成の面白さなど日本をはるかに超えた領域にいました。

タイトルになっている「パラサイト」という言葉ですが、寄生という意味です。

物語は超貧困家庭の長男が、身分を偽り上流階級の女子高生の家庭教師をするところからはじまります。

言葉巧みに上流階級の奥様を騙し、家族全員を上流階級家族に仕えるようになります。

まさに、上流階級の家族に、貧困家族が寄生している…というような感じですね。

この記事では、『パラサイト 半地下の家族』のレビュー・考察をしていきます!

ネタバレしていますので、これより先は視聴済みの方のみどうぞ!

格差社会の巧みな描き方

格差社会を現すのに象徴的なのが高低差でした。

もちろん上流階級は高いところに住んでいます。

貧乏は低いところに。

この映画ではさらに低い半地下です。

象徴的なのが大雨のシーン。

丘の上にある豪邸では、テントを張って寝れる程度なのに、半地下では災害レベルの雨。

家は雨に浸かり、下水が溢れ出す。

陽の光を浴びることさえもままならない環境にいるしかない辛さ。

雨の中、豪邸から坂を降りて階段を降って半地下の家に逃げていく姿はとても悲しく思いました。

時計回りってそのことかい

実は映画を見る前にツイッターで検索したんです。

そこで出てきたキーワードがこちら。

「パラサイト 時計回り」

ん?なんだ?重要なキーワードか?って思うじゃないですか。

観る前にネタバレくらうのは嫌だなと思って、検索しなかったのですが映画館でその意味を知った時は衝撃でした。

いや、奥さんの乳首の触り方のこだわりかいッ!

これは一周回ってギャグですよね?

いや、回らなくてもギャグですよね?

夫婦のソファでの営みが無駄に生々しくて色気がすごかったですね。

露出がないのにあの色気は半端ない。

私も机の下に隠れてるみたいに息を止めそうになりました。

でも、時計回りって…!

前半はコメディーでおもしろい!

パラサイトって、すごく怖いイメージがあったのですが前半いい意味で裏切られたんですよね。

すっごいコメディ。

テンポが良くて、奥さんがどんどん騙されて貧乏家族がどんどんお金持ちに寄生していく様子が面白い。

もし私があの奥さんだったら初回授業で急に女の子の手首を握って脈測ったら即失格にするけど。

でもあのキャラクターの奥さんだからこそ、この話が盛り上がったのですね。

妹によるお父さんの演技指導もよかった。あの大袈裟になっちゃう感じたまらない。

桃アレルギーの家政婦さんを陥れる段取りも軽快でよかった。

普通に犯罪だけれど…。

この面白いテンポの良さが、後半のブラックな世界観のギャップとなって、この映画をより深くさせたと思います。

キャンプ中に豪邸に家族で泊まってお酒を飲んでいるシーンを観ている時、

「絶対に家族帰ってくるだろう…はやく片付けて逃げて…」と思っていたのだけれど

現れたのは、あの家政婦。

この登場、こわかったー!

雨に打たれてビショビショの老婆。

変な笑顔。

必死にすがる様子。

魔女じゃん。

ディズニーに出てくるタイプの魔女じゃん!こっわ!

嫌な予感がする…。

タワーオブテラーの落ちる直前の胃の感じ…。

家政婦のみが知っていた豪邸の秘密

豪邸に存在していた隠し扉。

まあ、それはあるかもしれない、と想像がつくけれど、まさかそこに人が住んでいたなんて誰が想像しただろうか。

あの楽しい面白かった前半にも、ずっとあの男が地下にいたと思うとゾッとする。

豪邸には爆弾などから身を守るための防空壕的なシェルターが存在するということだったけれど、意味合いとしては半地下もそう。

調べてみたら、韓国に半地下が多いのは理由がありました。

朝鮮戦争が勃発して韓国全土が戦火に包まれたことを経て、再び戦争になった時に備えるために、建築法を改正した時期があったのです。

住宅をつくる際には防空壕の役割を果たす地下施設の設置が義務付けられたよう。

今はその建築法はないみたいですが、地下の住宅は戦争の名残だったのです!

半地下の家族も、元家政婦も、知られざる地下で暮らしていた旦那も言っちゃえば同じくくり。

綺麗にしていた元家政婦も雨に打たれて貧困そのものの風貌で、まるで泥ネズミのようです。

その泥ネズミのような家族ふたつが争い合う姿はなんとも言えない胃を潰されるような気持ちでした。

そうこうしている間に、危惧していたように豪邸に住む家族が帰ってきてしまう。

「あと8分でつくわ」って、もっと早く連絡しろや!と思ったのは私だけでしょうか…?笑

半地下の臭い

雇い主の旦那が「領域」に敏感な人でした。

運転手をしていた父親はその領域を絶妙なラインで超えない良い仕事をしていたにも関わらず、「臭い」だけは超えている。

…そう話をしているのを、直接耳にしてしまいましたね。

しかも、夫婦は夜の営み中。

いっぽうコチラは机の下に隠れている。

この悔しさは相当なものだったと思います。

ガーデンパーティーの悲劇でも、地下に住んでいた男に対しての臭いの嫌悪感をあからさまに示す態度に腹を立てたのは、自分を侮辱されたように思ったからだと思う。

とはいえなぜ父親だけ?

他の人もその臭い染み付いていたんじゃないのかなとは思うけれど…。

「領域」に敏感ということは、自分は「上流」であることを自覚し、周りにもそれを分からせる。

自分の価値観で勝手に人間のランクを区切る人はやはり腹立たしい。

いかに努力をして築き上げた名声だとしても。

計画はあるの?

この映画には「計画」という言葉が散りばめられていました。

父親のセリフにあった「絶対に失敗しない計画、それは無計画だ」は絶望の言葉。

彼はきっとここに至るまでに数え切れないほど計画をしたと思う。

けれど結局うまくいかなかった。

その計画はやはり壊れてしまう。

自分の努力だけでは、まかないきれない社会的な圧力や壁が存在する。

そんな社会への恨みを感じさせる一言だったと思う。

結局、この家族の「富裕層家族に寄生する」という計画も、予想外の出来事でダメになってしまう。

ダメになってしまうどころか、犯罪者になり、妹は死に、父親は逃亡地下生活です。

あの豪邸の地下に逃げた父親はモールス信号で息子に手紙を書きました。

それを知った息子は、やはり最後に「計画」を立てるのです。

どんなに、計画を立てても失敗するかもしれない。

立ち上がるたびに転ぶと思う。

けれど、希望を捨てないために生きていくために人間は計画をして進んでいくしかできない生き物なんだと、この映画から強く思わせられました。

まとめ

うまく感想をまとめられないけれど、とにかく良い映画だったしインパクトが強かったです。

映画のこの熱量。歯がゆい気持ち。ぜひ映画館で味わってほしい。

あ、このレビューを観ている方は視聴済みの方でしたね!

この映画は、観た人たちで感想を言い合うのも楽しいですよね。

私も、考察記事を読みまくっております!

では、また。

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